予算の作成は済んでいるでしょうか?
新年度になりました。今日から新執行部体制のもと新年度の活動がスタートする、というPTAも多いのではないでしょうか。
ところで、予算ってもう作ってありますか?
本来なら予算って活動を始める前に作っているはずです。特にPTAは規約に縛られて活動している任意団体ですので、もし規約に「支出は予算に基づき行う」なんて書いてあったら、予算がなければ1円も使ってはいけないはずです*1。とはいっても、現実的には新執行部の予算を旧執行部が決めることもできず、新入生を含めた新年度の会員に対し、予算を承認してもらうことがほとんどだと思います。
今回は、これから予算を作成するPTA執行部に向けて、予算作成の目的と予算作成のポイントを解説します。
必要だからとりあえず予算を作ろうとしていませんか?
前年度の予算をそっくりそのまま使おうとしていませんか?
そんな予算では形式だけの使えない予算になってしまいます。せっかくですので予算作成の目的と予算作成のポイントをチェックし、しっかり使える予算を作りましょう!
予算作成の目的
予算を作成するのはなかなか大変だと思います。「毎年予算を作成しているけれど、そもそも何で作っているんだっけ?面倒なだけじゃん・・・」と思う方もいるでしょう。そんな人に少しでもやる気を出してもらうために、まずは予算作成の目的を確認しましょう。予算は、年間の活動計画をお金で表すことで会費を集める根拠となるものです。もし予算がなければ、集めたお金をどのように使われるのかわからないため会費を集めるのが難しくなります。また、実際の活動計画を反映して精緻に作成した予算は、実際の収入・支出に変なところがないかチェックをするときの判断材料となるものです。予算は作成して終わりではなく、実際の収入・支出と比較することが大切です。
- 会費を集める根拠となる:PTAの活動は会員から会費(活動資金)を集めることで成り立っています。もしも会費が入ってこなければ、資金不足で活動ができなくなってしまうでしょう。では、会員はどうして会費を払ってくれるのでしょうか?それは、集めたお金をどのように使うかという計画を予算として会員に示し、会員が予算に納得するから払ってくれるのです。予算により活動資金の使途を明確にするからこそ会費を集められるのです。
- 実際の収入・支出に変なところがないかチェックをするときの判断材料となる:新年度のPTA活動が始まると、最初に会員から会費を集め、いろいろな活動が行われる都度支出がなされます。残念なことに、それなりの額の現金が集まるところでは資金の横領・不正支出が起こるもので、PTAも例外ではありません。では横領や不正支出を防ぐにはどうすれば良いでしょうか?実は予算を活用できます。予算と実際の収入・支出を比較し予算との差異を出し、差異の原因を調査することで異常を検出することができます。
予算作成のポイント
予算は会費を集める根拠とし、収入・支出実績との比較のために作成します。それでは予算を実際に役立てるために、どのような点に気をつけて作成すれば良いでしょうか。まずは当年度の活動計画を決めることが必要です。いつ何をやるかが決まっていなければ、どのくらいの支出が生じるか予測することはできません。活動計画を決めたら、各活動で必要となる支出を計算しましょう。もし前年度と同じ活動であれば、前年度を参考に適切な金額を決めることで効率的に進められると思います。新規に始める新しい活動の場合でも、詳細を詰めて金額を決める必要があります。過去にない活動だからといってテキトーに金額を決めてしまうと、実績との比較に使えなくなってしまいます。
- 活動計画を決める:まずは金銭的なことは置いておき、当年度に何をするか決めましょう。予算は実際に行う活動を金銭的に表現するものであり、活動が決まらなければ予算も作成できません。活動計画に合わせて予算を作成することで、予算の正確性が高まります。
- 前年度を参考に適切な金額を決める:活動計画が決まったら、まずは前年度も実施した活動の予算を決めましょう。前年度の予算をそのまま使うのはちょっと待ってください。前年度の予算と実績を比較して、予算が実態に合っているか確かめましょう。また、活動内容に変更があるかも要チェックです。参加人数が増えるのであれば支出も増えるかもしれません。前年度配った景品や参加賞などが不評で、今年度は景品を出さないとか、違うものに変えるとかするかもしれません。前年度の予算と実績を確認する、活動内容の変更を反映する、という2点を考慮して当年度の予算を作成しましょう。
- 新しい活動の場合でも詳細を詰めて金額を決める:新しい活動の場合には、「何をやるか細かいことは決まっていないし、とりあえずこのくらい予算につけておこーっと」、というように何となく予算を決めがちです。しかし、これでは予算の意味がありません。もしかしたら予算に合うように不必要な支出をしてしまうかもしれません。これを防ぐために、可能な限り活動の詳細を決める、過去に似たような活動があればそのときの予算・実績を考慮して予算を作成する、ということが必要です。なお、どうしても年度初めの時期に詳細がわからないような場合には、後で詳細が分かった段階で予算の補正を行うという方法もあります。
予算の金額をどのような理由でその額にしたのかは、記録として残しておきましょう。そうすることで当年度の予算・実績比較で異常点を探す際に役立ちますし、来年度の予算作成のときにも活用できます。
例えば以下の「支出予算の作成例」のように、前年の予算実績比較、それを受けたコメント(当年度予算の根拠)、当年度予算額を一覧にまとめておくと良いでしょう。以下の例は本部の経費を想定していますが、各イベントや委員会ごとに作成するとGoodです!
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今回の記事ではPTA新執行部のために「予算作成の目的とポイント」について解説しました。この記事に関するご質問・お問い合わせがございましたら、コメント欄かお問合せフォームよりご連絡いただけると嬉しいです。