8年も前になるが、ボーッとすることって大事だよね、という内容でブログを書いていた。
input-and-output.hatenablog.com
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この頃は2人目が産まれて半年足らずで、働いていた会社の制度では自分も時短勤務ができるってことに気付き、それまで残業ばっかりだったのをパタっとやめて定時退社の毎日だった。時間ができたのを良いことに、夜中にさいたま新都心のタリーズに行ってブログを書いていた。
ブログのネタを何にしようかと必死に脳内ブレインストーミングをしていたけれど、何も良い案が出てこない。押してダメなら引いてみろ、ということでボーッとしてみたときに感じたことを書いたのがこれらの記事だ。
ボーッとしてみたらアイデアが浮かんだ。
ボーッとしてみると意外と心地良い。
時間効率を考えて、やることをギュウギュウにスケジュールに詰め込んで、たまに吐きそうになりながら仕事をする。そんな自分に新たな視点を与えてくれたのが、ボーっとする勇気だ。
あまり意識はしていなかったが、8年経った今でも、何もせずボーッとする勇気を持つことは意味があると感じている。
少し前から、WHITE SPACE(ホワイトスペース)という本が注目されつつある。本屋でも入り口すぐの目立つ位置に並べられていたり、平積みされているので目にすることが多いと思う。
驚いた。自分がなんとなく思っていたことが本として出ている。知らないうちに自分で描いていたのだろうか。いや違う。
昔を懐かしみながら読んでみた。本の詳細は割愛するが、多少自分の見解を含めて要約すると、だいたい次のようなことが描いてあった。
- 今生きている人たちは忙しすぎる。仕事もそうだし、スマホにも注意を奪われて息つく暇もない。
- そのせいで非効率を非効率なまま行ったり、重要性や順序を考えずに作業に向かっている。
- ちょっとした休憩(戦略的小休止)を意識して取り、考える時間(ホワイトスペース)を確保しよう。そうすればより効率的に、より効果的に物事を進められる。
本書では忙しい人たち、主に働いている人に向けて、数十秒〜数分の短いホワイトスペースを確保するための手法を紹介している。この短時間のホワイトスペースを「ウェッジ」(くさび)と名付け、作業の合間に挟んでいこうよ、という感じだ。
そして「ウェッジ」を生み出すために使える、仕事を効率的にしたり、作業の重要性判断するためのツールを紹介している。
全体を読んで感じたことは、ホワイトスペースの大切さには共感できるけど、短い休憩(ウェッジ)を何度もとることを進めているのはしっくりとこなかった。たぶん、自分の思うボーッとするは、もう少し長い時間だからだろう。
せっかくなので、本書に書かれていない「長めのホワイトスペース」の取り方として、自分がやっていることを紹介したいと思う。
- 朝のスタバで通勤客の流れを見ながらコーヒーを飲む。スタバで仕事や読書に取り組むのも良いけれど、あえて何もしないことをオススメしたい。朝、早足で通勤する人たちを眺めながら、ボーッとコーヒーを飲むことは優越感さえ感じる。個人的なオススメスポットは茅場町店2階(中二階?)の外を向ける席だ。1階で作業している人、外を歩くたくさんの通勤客、忙しい人たちから一歩離れた場所でチビチビと珈琲を啜る。最高のホワイトスペースだ。
- 目的もなく歩く。ただ歩く。ノイズキャンセル機能の付いたイヤホンをつけて、音楽もオーディブルも流さず、無音でブラブラする。歩いていると、足からくる振動のせいか、色んなものが視界に入るせいか、思考がまとまらずあっちこっちに飛んでいく。知らないところを歩く方が良いという人もいるけれど、個人的には道に迷ってスマホを取り出すことがないように、見知った道を歩く方が好きだ。
- トイレにスマホを持っていかない。小だとウェッジくらいにしかならないが、大なら十分ボーッとする時間になるだろう。すぐに済みそうでも少しそのまま座っていれば良い。暇つぶしに持っていってしまうスマホが貴重なボーッとする時間を奪っている。スマホがなければボーッとできる。
- ペットを眺める。我が家にはカエル、どじょう、やもりがいる(カエルとヤモリの餌になるレッドローチもいる)。カエルを含め皆鳴かない、あまり動かない、おとなしい子達だ(レッドローチはよく動く)。ただボーッとこの子たちを見ているのも心地よい時間だ。お互いに何をするわけでもなく、考えていることも理解せず、見つめ続ける。そのうち、「カエルにとってのしあわせって幸せって何だろう……」というどうでも良い疑問から、自分に目を向ける機会になる。
いくつか紹介してみた。また良いものが見つかったら書き足していこう。あなたのオススメのボーッとする時間があれば、コメント欄でぜひ教えてほしい。
ボーッとすることは自分の何気ない思考に気がつくための方法の一つだと思う。スマホを置いて、ひとりでボーっとすることで、いつもは気にもしていない自分の考えに気付かされる。何もすることがないから、その考えについて思考を重ねる。自分の場合はこれを重ねることで、自分の価値観、自分にとって意味があることを少しずつ理解していった。
ボーッとしているときに独り言をつぶやくのは思考を頭に留めるためにも、思考を進めるのにも役にたつ。ひとりでボーッとしているときや、歩くのと一緒にやっても良い(スタバでつぶやくのはオススメしない)。歩いているときに、ふと良いアイデアを思いつくことがある。思いついて何もしないと、アイデアは歩くスピードに追いつけないのか、道端に落としてきてしまう。そんなとき一言二言声に出してみると、散歩についてきてくれる。そのまましゃべり続けるとアイデアが広がる、増える、形になる。ノートに書くのは面倒、スマホを取り出すと余計なことをしてしまう、そんな人にはぜひ試してほしい。声は有能な記憶ツールだ。スマホが邪魔なだけかもしれない。
あなたにとって、ボーッとすることは何をもたらしてくれるだろうか?