<概要>
これまでに、マスタリーに至るために必要なこととして、第1章〜第5章で次の事項を理解した。
- 衝動に従い、人生でやるべきことを見つける。
- 理想の修業期をどう過ごせば良いか。
- 師(メンター)が持つ力を活用すること。
- 社会的知性を獲得する方法。
- 修業期で得た能力のさらなる発展
最後の第6章では、マスタリーに到達するために必要な「要素X」について、実際にどのように活用されたのか、また、「要素X」を活用することでどのような行動につながったのかが説明されています。
要素X:自分の専門分野に潜む真実の発見に少しでも近づくルートを、自分の手で切り開こうと決意するための、自信と自己認識。
7つの事例から「要素X」について考えを巡らせたのち、マスタリーとはどうゆう存在なのか、総括として以下のように述べています。
マスタリーへの道に背をむけることは、その存在や重要性を否定し、そこに至るためのあらゆる努力まで否定することになる。けれども、そうした否定の行き着く先は、無力感と幻滅だろう。否定は「偽の自分」への隷属につながる。
マスタリーとは、遺伝や幸福の問題ではなく、自然に湧いてくる自分の本心と、自分を駆りたてる心の奥底からの欲求に従うことである。
<感想>
本文を全て読み終えました。まだ1度読んだだけですが、本書の大切な教えは次の一文に集約されるのではないかと思います。
マスタリーに到達するために必要なことは、マスタリーとは何かということを理解することではなく、自分が何をしたいかを知ることである。
たとえ10000時間の訓練を積もうと、自分の欲求に反するものであればマスタリーにはなりえない。自分の欲求に合致していれば、自然と濃密な訓練がなされ、10000時間という単なる量的な要因に縛られず、マスタリーへの道を歩める。
これを実際の仕事に関連づけて考えてみます。ブラック企業で、嫌々ながら毎月100時間残業をして働いていると考えましょう。週40時間労働を基本とすると、100時間残業の場合月間労働時間は260時間くらいです。10000時間を260時間/月で割ると、38.46か月、つまり3年ちょっとで10000時間を達成できます。
周囲を見回して、このような境遇の人を見つけてみてください。どうでしょうか。私の周りを見回してみると、残念ながらこういった人でマスタリーに到達していると感じさせる人はいません。ゼロです。あなたの周りには、何人かいるでしょうか。
一方で、仕事を好きでやっている人を見てみると、3年もすると、(労働時間などの)目で見える時間にかかわらず、いつの間にかレベルアップしている人がいます。そうゆう人は、見えないところで必死に勉強しているのかもしれませんし、もしかしたら仕事中の集中力が高く、短い労働時間の間に濃密な訓練をこなしているのかもしれません。
読了を機に、自分が何をしたいのかを改めてきちんと理解し、自分を突き動かす欲求に従っていきたいと思います。
「マスタリーを読んで」はこれが最終回となりますが、これをどのように実践するかとか、マスタリーに関する新たな気づき、解釈は紹介を続けようと思います。
ひとまずここまで。