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暇な公認会計士が、監査や身近な会計、その他自由に意見を述べています。

自己投資という名目で、金と時間をドブに捨てていないか?会計学から考える自己投資の成果。

 

去年の自己投資は、きちんと成果につながったでしょうか? 何も得られなかったのであれば、金も時間もドブに捨てているのと同じです。果たしてそれでいいのでしょうか?きちんとした成果につながる自己投資について、少し考えてみましょう。

 

 

自己投資。自身のスキルアップのために、自分にお金も時間も使うこと。会計学的には投資の結果資産が形成されるのが通常だが、あなたの投資はどうだろうか……?

 今年の目標は決まったでしょうか?もしかしたらまだ考え中かもしれませんね。そういっている私も確固としたものは決まっていません。

 

 目標設定ができれば、それに向けて何かしらの「自己投資」がなされます。

 自己投資と聞くと、自分の中に知識やスキルと言った「資産」蓄積されて、将来役に立つように聞こえます。企業経営で言えば、「資産」というと、お金や債権、土地や建物、有価証券です。お金そのものであったり、将来お金を獲得する元となるモノや権利が「資産」です。

 そんな「資産」ですが、価値がなくなると評価を下げなくてはなりません。価値を下げるというのは、「資産」を「費用・損失」に変えて、「収益」を減少させるということです。

 「収益」>「費用・損失」であれば、「純利益」となります。

 「収益」<「費用・損失」であれば、「純損失」となります。

 

 1,200円の本を買ってきて、その知識で2,000円を獲得すれば純利益800円ですが、1円も獲得できなければ1,200円の純損失です。もちろん自己投資の成果は、金銭的な報酬に限りません。精神的な報酬(例えば、自分の満足感や、家族の幸せ、会社の成功など)も立派な報酬でしょう。

 

何が言いたいかわかってきただろうか?投資のリターンをきっちりと考えてほしいということだ!さぁ、去年の自分の行動を思い出してみよう。そして、成果に結びつく投資をどれだけできたのか思い出そう!

 さてそこで、まずは思い出して欲しいのです。去年どれほどの自己投資をしましたか?

  • スポーツジムの会費(ジムで使う服や靴)
  • 書籍の購入(読んだものも、読まなかったものも)
  • 有料セミナー、講演会に払った参加料

 

 これらの中で、きちんと報酬につながったものは何でしょう?役に立たなかったものはどれでしょう?少し思い出してください。

 

 きちんと報酬を得た投資、もしくは今後の成果に期待できるのであれば、それは立派な「資産」となったと言えるでしょう。

 私の場合、書籍購入という投資は、仕事でもブログを書くのにも使えており、それなりに成果も出てきているので「資産」としておいて良いと考えています。

 

 一方で、報酬につながる見込みがないものはどうでしょうか?私の場合には、スポーツジムの会費は完全に失敗した自己投資でした。お金を払うだけで、定期的に通う時間が十分に取れず、行ったところでその場限りのトレーニングとなり、全く身になりませんでした。お金も時間も無駄でした。

 ジムに一度行くと、2時間くらいは家を空けることになります。これなら、家の周りを15分くらいランニングして、余った時間を家事だの子供の相手だのをした方がよっぽど有意義だったなぁと思います。

 

きちんと報酬を得ているのかわからない?そもそもどんな投資をしたのかわからない?あなたはお金と時間をドブに捨てているのですか?

 こうやって「考えてみてください」というと、こんな人たちが出てくるかもしれません。

「そもそも去年どんな投資をしたっけな?」

「報酬……何が報酬なのかなぁ?」

 

 こんな人は、自己投資をしている気になっているだけなのではないでしょうか。そもそもの目標が不明確であったり、手段と目的の取り違え(自己投資はあくまでも手段!)が生じているのではないでしょうか?

 お金を投資して、在庫や土地に変えることが目的ではないはずです。お金を在庫や土地に変えて、それらを売るか使うことで収益(報酬)を得ることが目的であるはずです。そこをしっかり明確にしておきましょう。

 

せっかくだから、今年は自己投資と成果を見えるようにしてみよう!結構面倒なことだけれど、仕事では会社のためにやっていることだよね?だったら自分のためにもやってみよう!

 まずは、自己投資の目的(最終的な成果)を決めましょう

  • 会社で昇格する
  • 効率化を進めて残業を減らす
  • 今まで失いつつあったパートナーや子供からの信頼を取り戻す
  • 副業をして収入を増やす
  • 趣味のピアノの技術レベルを上げる
  • 資格を取って仕事に生かす・副業につなげる

 

 次に、どんな投資をするか決めましょう

  • 本を読む
  • セミナーに参加する
  • 習い事を始める
  • 大学院に行く、大学の聴講生となる
  • 時間をかける
  • 旅行に行く

 

 成果と投資を決めたら、成果と投資を紙に書いて見えるところに貼っておきましょう!他人に見られたくないのであれば、使っているノートの裏表紙の裏側にでも貼っておきましょう。

 声を大にして言いたいことがあります。

 貼って終わりにするなああああぁぁあぁぁあああ!!

 

 投資を増やしたらそのつど書き足しましょう。成果が変わったのであれば、それもきっちり記録しましょう。

 投資にいくら、何時間費やしたのかを書きましょう。少しくらい汚くなってもいいのです。いくら・どれだけ投資をしたのかを記録しましょう!

 時間を正確に記録するのは難しいかもしれません。金額も、投資なのか娯楽なのかわからないものもあるかもしれません。わからなければ、だいたいで良いと思います(あくまでも自己評価です)。

 今年の年末か、来年の年始には投資の結果を計算してみましょう。

  • 収入はいくら増えたか?(金額で出るから簡単!)
  • 家族からの信頼はどれくらい増えたか?(これは難しい。会話の量や子供の反応で決めるのかな?)
  • ピアノの技術レベルは上がったか?(弾けるようになった曲のレベルで計れるかな?)

 

 さぁ、どんな結果が出るでしょうか?楽しい結果となるか、絶望が眼前に提示されるのか。今から楽しみです。

 

せっかくなのでいくつか本も紹介。今日は会計学関係で6冊。こんな紹介して誰が得するんだろう?

 まずは基本書。「新・現代会計入門」「財務会計講義(第16版)」の2冊。これらに目を通しておけば、会計学の基本はバッチリ。大学や大学院の講義でも使われる基本書です。会計制度は移り変わりが激しいので、だいたい毎年新しい版が出ます。購入時には最新版を買うようにしてください。学生の講義に使うためか、3月ごろに新しい版が出る傾向にある気がします。それなりの金額のため、今買うか3月まで待つかは難しいところですね……。緊急性次第かと思います。

 

新・現代会計入門

新・現代会計入門

 

 

財務会計講義(第16版)

財務会計講義(第16版)

 

 

  会計基準自体が必要であれば、「新版 会計法規集〔第8版〕」「会計監査六法 平成27年版」をどうぞ。会計学を勉強している大学生であれば、会計法規集くらいは持っていてほしいところです(自分の所属していた会計関係のゼミでは、持っているのは私一人でした……寂しかった)。大学院生であれば、会計法規集は必携ですね。修士を持って実務に入った時に、基準知りませんじゃ格好悪いです。会計監査六法は、会計士や経理に所属してからで良いかなぁと思います。

会計監査六法 平成27年版

会計監査六法 平成27年版

 

 

新版 会計法規集〔第8版〕

新版 会計法規集〔第8版〕

 

 

 会計という単語を聞くと、東芝関係で連呼された「不適切会計」や、年に何回かは聞く「粉飾決算」といった言葉が連想されるかもしれません。「不適切会計」や「粉飾決算」ってなんだろう?という人は、「会計士は見た!」や「法廷会計学VS粉飾決算」を読んでみると、参考になると思います。

 企業を分析する立場になりたての人であれば、本書を読むことで、財務情報・非財務情報分析の視点について新たな知見を得られるかもしれません。

  「会計士は見た!」の従業員数に着目するところは、個人的にちょっと面白かったです。

会計士は見た!

会計士は見た!

 

 

法廷会計学VS粉飾決算

法廷会計学VS粉飾決算

 

 

 

 参考:読書を目標としたい人へ。

input-and-output.hatenablog.com

 

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