手軽に読めて、内容も分かりやすく、感情に訴えやすいもの。それが「小説」です。単なる娯楽の道具とするか、それとも人生を変えるほどの力を持つアイテムとするかは、あなたが「小説」をどう扱うか次第です。少し、「小説」の役割について考えてみませんか?
先日の記事が、スマートニュースで取り上げられました。
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「読書」を目標とするべきではない3つの理由。「読書」について改めて考えるための3冊。 https://t.co/7NFyk5hUAM #スマートニュース
— monchy (@monchy_monchy77) 2015年12月29日
スマニューで取り上げられました。
正直、苦情がいっぱい届いても良い内容だと思います。自分の中で「読書くらい好きにさせろよ!」と常に誰かが叫んでいて、実は書くのに時間がかかりました*1。
そんな悩みを、ブクマのコメント欄で言及してくださる方がいらっしゃいました*2
sirocco - 『「読書」を目標とするべきではない3つの理由。「読書…』 へのコメント https://t.co/wMsFQwoDwu
— monchy (@monchy_monchy77) 2015年12月29日
この疑問について、少しだけ考えてみました。
小説をどう捉えるか?教養、娯楽、作家になりたい、どれも当てはまるのだと思う。それは自分の目標をどのように設定し、目標達成の手段として「読書」をどう位置付けるかによって変わってくる。
私は小説が好きです。特に小学生〜大学の間は、小説が中心でした。以前のエントリーでも書いた通りです。
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ところが、学生から抜け出したその時から、小説を読む量がガクンと減りました。今まであまり気にしなかったのですが、改めて思い返してみると、無意識のうちに目標に対する読書の役割が変わってきていたのだと思います。
学生の頃は実用よりも好奇心が優勢で、非日常を体験出来る小説が中心となっていました(娯楽の範囲に含まれるものだと思っています)。一方で、仕事を始めると、仕事のためのスキルアップのために本を読むようになります。そこでは小説よりも実践的なものが好まれ、結果として小説の割合がストンと落ちたのです。
学生の間は自由な時間が多くありましたが、仕事が生活の中心となり、娯楽に費やせる時間は減ります。減った娯楽時間のうち、スキルアップのための読書をすると、さらに娯楽時間は減っていきます。そうして小説を読むための時間は、優先順位が低いため割り当てられる量が減り、小説を読む量も減ったのだと考えています。
さて、一方で小説を読むことで自身の目標を達成できる人たちはどうでしょう。私の反対の立場になることは明らかだと思います。そういう人であれば、目標達成のために小説を読みほぐし、骨までしゃぶるでしょう。
娯楽や趣味として読むのはどうでしょう。娯楽・趣味に使う時間は目標達成とは関係のない時間に割り振られた時間です。その時間に何をしようと、正直個人の自由です。やっつけな感じですが、「好きにしてください」としか言いようがありませんね。
大切なことは、以下の3つのステップです。
- 目標を定める
- 目標達成に必要なことを決定する
- 自分の時間を目標達成に必要なことを実行するために割り振る
小説を読むことが目標達成に必要なことであれば、遠慮なく実行してください。
単なる娯楽であれば、上記のステップ3で時間の割り振りを見直すことをオススメします。
娯楽としての小説は無駄なのか?そんなことはないはずだ。あなた自身の経験を振り返って欲しい。自分の体験が一番信頼できるよね?
歴史小説や、文学を専攻している人を除くと、小説に娯楽以外の役割を期待している人はどれだけいるでしょうか。試しに周りの人に聞いてみてください。私の身近にはいませんでした(そもそも娯楽の範疇かどうかを意識したことがない人がほとんどでした)。
そんな扱いの小説は、無駄なのでしょうか?そんなことはない!と声を大にして言いたいです。
あなた自身の読書体験を思い出してみてください。小説を読むことでどんな感情・感想を抱いたでしょうか。
- 未知なる体験への羨望・恐怖
- 非日常な世界への憧れ・期待・恐れ
- 事実を異なる視点から見ることへの衝撃
なんでもいいんです。いろいろな感想があると思います。そして、そういった感想があるのであれば、それだけで小説は私たちの世界を広げてくれるのだと思います。世界が広がれば、自分の考えも変わってくる。もしかしたら、目標自体にも影響を及ぼすことがあるかもしれません*3。
小説を読んで人生が変わる。そんな素敵なことがあってもいいですね。
せっかくなので、オススメの小説を3冊紹介!上述の通り近頃小説をほとんど読んでいないから、最新のものは含まれていないよ!
ルース・オゼキ作の「あるときの物語上」「あるときの物語下」。女子高生の日記と作家が織りなす、ちょっと不思議な物語。いや、だいぶ不思議でむしろ理解できないことの方が多いような……?「正法眼蔵」を脇に用意して読めば多少は理解が進むのかもしれませんが、残念ながら私はそこまで行き着きませんでした。なんでこの本を紹介したんだろう?印象的だったからかなぁ。
カズオ・イシグロ作の「わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)」。『提供者』とは一体どんな役割を持っているのか。本書の題名とはどんな関係があるのか。人類にこんな未来が訪れる時が来るのかもしれない。本では直接触れられているわけではないですが、個人的には医療の観点から本書の内容を考えてみると、結構ずしりとくるものがあります。
アガサ・クリスティー作の「そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)」。
以前の記事でも書きましたが、今こうやって自分が文章を書いているのは、アガサ・クリスティーの本書を読んで、「自分でも書いてみたい!」と思ったからです。小学生時代のこの思いがなければ、10数年してこうやってブログ記事を書くこともないのだと思うと、やっぱり小説は捨てたもんじゃないなぁと思います。
年末年始、目標設定に頭を悩ませている間に、小説で息抜きしてみてはいかがでしょうか?あなたの人生を変える1冊に出会えるかもしれませんよ。