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暇な公認会計士が、監査や身近な会計、その他自由に意見を述べています。

読書記録「ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか」

日々残業。毎週休日出勤。そんな生活にももう慣れました。

こんな日本人は多いでしょう。帰宅途中の電車の中でこの記事を書いている私も、かくいうその一人です。

仕事が好きでやっているんだから良いじゃないか!というご意見はごもっとも。好きなことを続けるのは個人の自由。

一方で、長時間労働が悩みになっているのであれば、本書を手にとって読んでみてください。改善するヒントを見つけられるかもしれません。

また、単にドイツ人と働く時の留意事項として抑えておくにも有用な書籍です。

 

<本書の構成>

  • はじめに
  • 第1章 有給30日、消化率100%…でも仕事が回るドイツの働きかた
  • 第2章 休みが多いのにドイツ経済は絶好調!のなぜ?
  • 第3章 日本の1.5倍!ドイツの高い労働生産性の秘密
  • 第4章 アメリカ型資本主義は目指さない!ドイツの「社会的市場経済
  • 第5章 短い労働時間、高い生産性の一方で、ドイツ流の問題点
  • 第6章 報われる働きかたのために "日独いいとこ取り"のススメ
  • おわりに

全体として、著者がドイツでの長期間の暮らしを通じて感じた経験をもとに語られています。当然ドイツ人全般に帰納できるのかは謎ですが、それでも著者の紹介するドイツ人の働きかたは、参考にするところが多くあります。以下の事項は、残業大好きな人でも、1秒でも早く帰りたい人でも注目に値することだと思います。

  • 「余人をもって変えがたい」という状況はほとんどない。
  • 残業時間が多い社員は無能とみなされる。
  • 仕事をする時に「費用対効果」を常に考える
  • 頑張っていることだけでは全く評価しない。

一方で、短い労働時間がもたらす弊害として、主にサービスの低下について触れられています。

最後にドイツ流報われる働きかたとして、なんと27項目もの提言がなされています!ただ、この提言は「こうやった方が良いよ」という内容を列挙しているもので、具体的な取り組みかたやツール等については触れられていません。その点については、別の書籍で補う必要があります。

 

いかがでしょうか。

個人的には、「頑張っていることだけでは全く評価しない」「残業時間が多い社員は無能とみなされる」という点は共感できます。付け加えるならば、「部下に長時間の残業を押し付ける管理者も無能」と感じます。残業時間は会社にとっても、その人にとっても大きなコストですからね。

 

気になったら是非ご一読ください。