input & output

暇な公認会計士が、監査や身近な会計、その他自由に意見を述べています。

情報をまとめるツールはいろいろあるけれど、一体何を使えば良いのだろう? 今年1年でいろいろ試行錯誤した結果。

 読んだ本の内容をまとめたい時、ブログのネタをちょっと考えたい時、真面目に何かを考える時、どんなモノに記録をするでしょうか。

  • 頭の中にしまっておく
  • ノートに書く
  • アプリを使う
  • 付箋に思いつくままに書く

 私自身は、これらすべての方法を、行ったり来たりしながらいろいろ試して、良い点・悪い点を見つけてきました。ここでは、これらの方法についての私の気づきをアウトプットしたいと思います。

 

頭の中にしまっておく

 まずは、特に記録もせずに頭の中にしまっておく方法を試しました。何か思いついても頭の中にとどめておき、ひらめきを発展させるのも頭の中で思考を続けるという方法です。

<良い点>

  • 無料。完全に無料。
  • いつでもどこでもできる。
  • ツールを持つ必要がないので忘れ物を気にしないで良い。

<悪い点>

  • 忘れる。忘れたら思い出すのに苦労する。
  • いい考えにたどりついても、後から同じ思考過程を辿れない。辿れているかわからない。
  • 論理かどうか、検証するのが辛い。

 

 私の頭では難しい方法でした。1ヶ月ほどで、覚えていなくてもいいことを常に考えていて、大事なことに頭が回らなくなりました。きちんと、考えること、考えなくていいこと、忘れていいことを区別できない人にはオススメできない方法だと思います。

<参考文献>

思考の整理学 (ちくま文庫)

 こちらの本の、本当に大事なことはメモをしなくても忘れない、という趣旨の文章を実践してみました。

 

ノートに書く

 これは王道。多くの人が、何かしらのノートを持っているのではないでしょうか。分厚い手帳の後ろの方についている白紙の部分や、campusノートを使っている人をよく見ます。

<良い点>

  • とにかく何でも書けて、(努力次第で)すべて記録に残せる
  • 文字や図となるため他人と情報を共有しやすい
  • 安い(こだわりがなければ、ペンもノートも非常に安い)

<悪い点>

  • いつも使っているノートを忘れると、仕事が止まるときがある
  • 覚えることをしなくなる
  • 過去の情報にアクセスがしにくい時がある

 この方法は、だいぶ長く継続しています。はじめは忘れないようにあらゆることをメモしていました。しなければならないことから、ディスカッションの議事録、考えの整理まで。そうすると、いろいろな情報が蓄積され、ノートは大切な記憶媒体となります。また、思考と違い目に見えるので、他の人と情報共有をしやすくなります。

 一方で、きちんと整理をしないと、大事な情報にアクセスできないことがままあります。特に、ノートが数冊たまると、「あの時の、あの情報」に辿れなくなる回数が増えていきます。これを回避するためには、ノートに目次を作ること、比較的大事なこと(だとその瞬間に思ったこと)にインデックス代わりの目印をつけておくことがオススメです。少し手間がかかりますが、後から探し物をする時間を省略できるので、十分元は取れると思います。

<参考文献>

情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」 (Nanaブックス)

「結果を出す人」はノートに何を書いているのか (Nanaブックス)

読んだら忘れない読書術

 ノート術に関しては、多くの本が出ています。意外と、読書に関する本においても、読書記録をつけるという観点でノート術が語られています。

 この類の本を読むと、とにかく何でも書け!というものから、必要なものだけを書け!というものまで、主張は様々です。1冊の本に縛られず、自分の使いやすいノート術をぜひ見つけてください。

 困った人は、ひとまず『情報は〜』と『「結果を出す人」〜』を読んでみれば、方向性はつかめるのではないでしょうか。

 

アプリを使う

 ノートはどうしても持っていくことを忘れる可能性があります。仕事に行くときは忘れないかもしれませんが、プライベートでちょっと外出するときには持っていかないかもしれません。しかし、スマホのアプリを使えばその悩みも解消できます。スマホ、いつでも(トイレに行くときでも)持っていますよね?

<良い点>

  • 持っていくことを忘れる可能性が非常に低い
  • スマホでもPCでも使えるアプリであれば、打つ文字の量によって使い分けができる
  • 場所を選ばない。ツールによってはオフラインでも利用可能

<悪い点>

  • 会社の環境によっては勤務中に使えない可能性がある
  • アプリのサービス終了によりデータが消失する可能性がある
  • オフラインだと全く使えないものもある

 まず紙の手帳を使わないことから始めました。スケジュールをアプリで一元管理するようにしました。これは意外と便利で、手帳を持ち運ぶ必要がないというのは思った以上の解放感を味わえます。

 →Lifebear [ライフベア] | クラウド型電子手帳

 次に、to doをアプリで管理するようにしました。これにより、ノートからto doが削除され、思考の整理に専念できるようになりました。また、些細なこともto doに入れることで、忘れて嫌な思いをすることからも解放されました。

 →Wunderlist | To-do list, Reminders, Errands - App of the Year!

 また、ノート代わりにworkflowyを使用しました。こちらは、もっぱら読んだ本の内容を要約するために使用しています。ノートに手書きも捨てがたいのですが、書くのが遅く時間がかかってしまうため、このアプリを利用しています。スマホiPadにもこのアプリを入れておけば、どこでも自作の本の要約が確認できます。

 →WorkFlowy - Organize your brain.

<参考文献>

アウトライン・プロセッシング入門: アウトライナーで文章を書き、考える技術

 WorkFlowyについては、この本で知りました。アウトライナーを活用して、文章と思考を組み立てる技術を解説しています。

 

付箋に思いつくままに書く

 頭、ノート、アプリと一通り実践し、一周回って戻ってきたところで待ち構えていたのは「付箋」でした。今現在は、付箋とノートを組み合わせた思考の練習をしています。

<良い点>

  • 1枚1枚が独立しているため、考えの切れ目がわかりやすい
  • 書いた紙の移動が楽なため、目的に応じた整理がしやすい
  • 安くて持ち運びが簡単。書くことができる環境であれば使用場所を選ばない。

<悪い点>

  • 1枚1枚を無くしやすい
  • 1枚が小さいので、たくさんの情報を載せられない
  • よく持っていくことを忘れる

 付箋には、思ったことをそのまま書き、少し経ってから必要そうだと感じたものをノートに貼り付け、思考を発展させるために使っています。不要な付箋はさようなら。こうすることで、ノートの中身が精錬されます。必要な情報に関する思考がたまっていき、大切な情報へのアクセスがしやすくなります。

 この方法は始めたばかりのため、まだまだ手についていません。ちょうどいい付箋のサイズを探している段階です。手のひらサイズの正方形タイプですと、若干物足りないと感じます。

<参考文献>

発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))

ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング

 どちらも思考方法に有用な独自のツールを紹介した本です。「考えの種」をどこにどうメモしたらいいかわからない!という人には、これらの本を一読することをオススメします。

 

(2017/7/9 更新)

 当初この記事を書いたときからだいぶ時間が経った今は、Evernoteに全ての情報を放り投げています。また、仕事でも紙のノートを持ち歩くことはやめ、基本的にはPCのメモ帳にメモしています。たまに手書きでメモを取るときには、そこらへんのコピー用紙に書いて、スマホで写真を撮ってデータ化して保管するようになりました。

 データよりも紙の方が読みやすいことは確かなのですが、データの「検索可能性」、「どこでも見られる」というメリットは、読みやすさのデメリットを大きく上回っているように感じます。

 ついでに、紙の本のほとんどとサヨナラをしようとしています。こちらもPDF化してEvernoteに全部突っ込む予定です。

 

 今後の課題は、どのように情報を使っていこうか?というところにあります。情報を集めることは、時間、金、労力をかけるだけでできますが、使うとなると「知恵」の方が必要です。しばらく色々と試してみようと思います。

 

発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))