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暇な公認会計士が、監査や身近な会計、その他自由に意見を述べています。

『THE GOAL』を読んで、日常のボトルネックを見つけることにはまる。

ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か

 少し前にKindleでセールをしていた「ザ・ゴール」。題名は知っていて、名著だとは知っていたけれど、かなりのボリュームがあるためなかなか手を出せないでいましたが、せっかくお得になていたので購入。時間はかかりましたが読了しました。

 

 本書の内容は、端的に言えば「とある工場の工程改善」。効率を追求した結果、利益は出ず、在庫だけがたまっていく工場*1を題材に、主人公たちがあの手この手(というよりも、あの思考、この思考)を使って、スループット*2・在庫・業務費用*3の3つを改善*4するために奮闘する物語です。

 

 本書はいろいろな側面に着目して読めると思います。個人的には、以下の4つの視点で読みました。

  1. サクセス・ストーリ
  2. 工程改善事例
  3. ブレイン・ストーミングの活用事例
  4. 思考することの大切さ

 他にも、「家族との関わり」とか、「部下の育て方」という見方もできそうです。

 

 先ほど思い浮かべた在庫が溜まりに溜まった工場を、もう一度思い返してください*5。もしその工場のボトルネックを見つけることができ、利益が増え、在庫が減ったとしたらどうでしょうか。私の思い浮かべている工場*6から在庫が減っていたら、ただただ素直に感動するでしょう。そんな姿を見てみたい。

 

 効用と言えるのかはわかりませんが、日常のボトルネックが見えてきます。信号付きの横断歩道、電車などにもボトルネックが見えてきます。工場でなくても、仕事の中にボトルネックが見えてきたら儲けものかもしれません。ボトルネックが自分自身だと感じられたら、自分の業務も、チームの業務も見直すチャンスが出てきます。

 

 ブログを書くという面で見ると、完全に自分がボトルネックです。工程に投入される前の在庫(未読の本、中途半端なネタ)が、山のように自分の目の前にあるので、明らかです。わかりやすい。

 

 せっかくなので、普通に本を読むかたわら、少しTOC(制約理論)を学んで、どこかで生かしてみようかと思います。

 

※2015年11月6日 追記※

 「とある工場の工程改善」と表現したけれど、朝起きてみるとなんとも釈然としない表現な気がしてきた。「工程改善」よりも、「全体最適化」の方が本文とも合ってるように思える。ただ、パッと見「全体最適化」だとなんのことかさっぱりわからないことがネック。ん〜、キャッチフレーズをつけるのは難しい。

*1:いくつもの例を思い出すことができる人は、同業者かもしれない。

*2:ざっくりと言えば、売上ー変動費。限界利益に近い。詳細は割愛。

*3:業務費用の定義も特徴的だけど、詳細は割愛。

*4:スループットを増加させ、在庫を減らし、業務費用を抑える。

*5:あなたが働いている(ましてや管理している)工場でないことを祈ります。

*6:幸いなことに、そこで働いているわけでも、管理者をしているわけでもありません。