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読書が武器になる 「読書という荒野」

筋トレ。本書を一気に読むと、筋肉をいじめ抜いたかのような疲労感と達成感がある。

単に本書が分厚いからではない*1。ズッシリと重い、持ち上げられるかわからないベンチプレスを、ゆーっくり持ち上げ、筋肉に刺激を与える。本書を読むことは、そのようなトレーニングであると感じた。

 

このような本だからこそ、なんの気もなく、せかせかと急いで読もうとすることはおすすめできない。エキスだけを見たいのであれば、もっと読みやすい実用書に同じようなことが載っているかもしれない*2

著者のどんな読書体験が本書の主張に結びついたのか、じっくりと味わい尽くすことが本書の醍醐味である。

 

本書では、著者である見城氏*3の読書体験から搾り出された、「言葉」と「読書」に対する考え方が明瞭に示されている。

 

まずは、「読書」について著者が簡潔に主張している一文を引用したい。

読書とは自己検証、自己嫌悪、自己否定を経て、究極の自己肯定へと至る、最も重要な武器なのである。

巷にあふれる実用書では、読書で得たことをアウトプットしよう!という主張であることが多いように思う。ここでは読書はインプット情報だ。

しかし本書では、読書自体がツール(武器)となっている。自分がいて、読書というツールで自己を省みるところから自己の肯定まで行う。ここでは本が、自己をぶつけるための対象となっている。

私は、本から吸収するのではなく、本に吸収されるというようなイメージを抱いた*4。この点が非常に興味深かった。

 

そして、著者は言葉についても言及している。

言葉とはその人の生き方だ。言葉を持っている動物は人間しかいない。生き方から搾り出されてきたものが言葉であり、そして自分の発した言葉がまた自分の生き方を作っていくのだ。

 

そういえば、先日NHKで放送されていた探検バクモンのテーマが昆虫であった*5。そこでは、昆虫は約4億年前から存在すると紹介されていた*6。それだけ長く地球にいるのに、番組では標本となって箱詰めされている姿をみると、彼らに生き方などないのではと感じた*7

同時に、この著者の言葉が思い出され、言葉の力をありありと感じた*8

 

読書を単なるインプットとすることに違和感を感じる人は、本書を読むことで、読書の違う一面をみることができる。自身の考えを整理するために本書はおすすめである。

読書でトレーニングをしたいという稀有な人にもおすすめである。丹念に事実をつみあげているノンフィクションと同じような感覚を味わえるだろう。

 

読書という荒野 (NewsPicks Book)

読書という荒野 (NewsPicks Book)

 

 

 

 読書といえば、やはりこの本を思い浮かべる。本を読むことで何かを学びたい人には、こちらの本は必読だ。

本を読む本 (講談社学術文庫)

本を読む本 (講談社学術文庫)

 

 

*1:そもそもkindleで読んでいるので厚さはわからない。

*2:以下で引用もしている

*3:見城徹 - Wikipedia

*4:著者の考えとは違うかもしれないが

*5:やくみつるさん、中川翔子さんと今注目の「昆虫テクノロジー」を研究する東京農業大学へ! 探検バクモン |NHK_PR|NHKオンライン

NHKで昆虫がテーマのバラエティー番組なのに、香川照之は出ていなかった。

*6:NHK スペシャル |人類誕生 (3 回シリーズ )

人類は440万年前から存在するらしい

*7:もしかしたら昆虫学者からするとあるのかもしれない。しかし、日々子どもたちに蹂躙されているアリを見ていると、文化もへったくれもないように私は思う。まさか探検バクモンを見てこんなことを感じるとは。

*8:脚注なんてほとんど見る人はいないと思っているが、一応書いておく。一つ上の脚注の"アリ"にかけたわけではない。