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暇な公認会計士が、監査や身近な会計、その他自由に意見を述べています。

『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。』〜ツールではない、人なんだ!〜

 年内に読みたい本 15冊のうちの1冊目!

まずは、『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。』を再読しました。

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。

 

  本書では、コンサルティング業界で長年活躍してきた筆者が、今まで自分が行ってきたコンサルティング業務について懺悔しています。そして、事業がうまくいくために大切なことを、以下のように説明しています。

私が本書によって訴えたいのは、これ以上、職場から人間性を奪うのはやめるべきだということ。そして人材のマネジメントでさえできれば、あとはすべてうまくいったも同然ということだ。(p.23)

 

 コンサルティング業界への戒めのように見えますが、筆者が想定する読者はコンサルティング業界にとどまりません。

仕事をしていて「みんな頭おかしいんじゃないの」と思ったことがあるなら、それはあなただけではない。これは、そんなあなたのための本だ。(p.24)

 毎日のように、「この人頭おかしいんじゃないの?」と思っている自分にはピッタリな本です。特に、会社の無駄に時間を使う人事制度に「?」と思っている人は、本書を読むとすっきりすると思います。

 

 本書で筆者が述べていることについて、私が「!」と感じた部分を引用してみます。

 

細かい分析を行って、その結果を立派なグラフにまとめれば、クライアントは感心してくれる。あとは、ひとつの指標をX軸に、別の指標をY軸に置いた4象限のチャートを作ること。このふたつはおそらくコンサルティングスキルのなかで最も使える重要なスキルだろう。(p.42 - 43)

 思わず納得してしまいました。

 ここでは「クライアントは関心してくれる」とありますが、私の場合は「上司も」関心してくれる。この上司はもちろん「頭おかしいんじゃないの?」の対象者だということは書くまでもないでしょうか。

 

方法論は新しい洞察を得るためや、型にはまった考え方から抜け出すために利用するものだと考えていた。(p.91)

 ここでは方法論の活用の仕方を学びました。

 方法論はそのまま使ってみるだけでなく、新たな視点を得るためにも役に立つということは、言われれば正にその通りなのですが、明確に意識することはしていませんでした。こういった使い方をするためには、自分が嫌いな方法論も積極的に取り入れないといけないなぁと感じます。

 

ずばり、私が言いたいのは、優れたマネジメントというのは難しい理屈ではなく、「人」だということだ。なぜ私たちはやたらと複雑に考えてしまうのだろうか。優れたマネージャーになるには、まずは自分自身のことを管理して、務めを果たさなければならない。次に、周りの人たちと良い関係を築く必要がある。自分や部下たちの将来も考える必要はあるが、それほど重要なことではない。(p.198 - 199)

 コンサル業界に精通した筆者がたどり着いた結論が 、結局は「人」との関係をいかに築くかという点にあることは、なんとなくではあるけれど自分の信じるところと繋がっていて、とても嬉しい気がします。

 万能なツールというものはなくて、ツールに固執するのではなく「人」との関係構築

が大切であり、そのためにはまず自分自身を管理する必要がある。肝に銘じたいと思います。

 

 ひとまず、ブログを書いている私に「もうおしまい!」と言ってパソコンを閉じさせようとする息子の遊びに付き合い、家族関係の構築に努めます……。

 

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