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暇な公認会計士が、監査や身近な会計、その他自由に意見を述べています。

「マスタリー」を読んで(その3:Ⅲ 達人の力を吸収する……師が持つ力)

マスタリーのⅢ章を読み終わりました。

この章では、師(メンター)の存在がどのようにマスタリーへの道につながるかについて記述されています。

 

 

 

マスタリー: 仕事と人生を成功に導く不思議な力

マスタリー: 仕事と人生を成功に導く不思議な力

 

 

 

 

目次

Ⅲ 達人の力を吸収する……師が持つ力
    知識を黄金に変える
    マスタリーのためのヒント
    師との関係を深めるための方法
        1自分の欲求と志向に一致する師を選ぶ
        2師の鏡の奥をのぞきこむ
        3師の理論や手技を焼き直す
        4相乗効果を生み出す
    もう一度考えてみよう
 

ざっくり要約

師の指導を受けることで、効率的に学ぶことができ、限られた時間を無駄に過ごすことがなくなる。そのためにも、自分にふさわしいしかるべき師を見つけよう。そして、師の知識を身につけたら、師の陰にとどまるようなことをせず、師の業績と英知を超えることを目指そう。
 

注目フレーズ

仕事を始めてすぐにしなければならないのは、できるだけ効率的に実用的な知識を身につけることだ。この目的のために、修行機にあなたが納得して従うことのできる師が必要になる。その必要性を認めたとしても、自分が劣っているわけではない。メンターの力を借りて弱点を克服しようとしているだけだ。
メンターを選ぶときには、自分の成功と好みと人生でやるべき仕事、将来なりたい自分の地位を認識し、それと同じ線上にある人物を選ぶ。
師弟関係の力学は、親または父親的存在の力関係の再現である。自分が生まれる家庭は選べないが、どのメンターを選ぶかは完全に自分の自由だ。
達人とはそもそも、散々苦しんで今の自分を作りあげてきた人たちのことである。……彼らは、創造性を発揮する段階に達し、それを超えて進むには何が必要かを直感的に知っている。メンターである彼らだけが、私たちの進歩の度合いを測り、性格上の欠点を見抜き、進歩するために乗り越えなければならない苦難をわかっている。
メンターなしで何かを始めるのは決して賢明ではない。自分に足りない知識を明確にする段階で、貴重な時間を浪費してしまうからだ。しかし、ほかに道がないときはある。メンター候補がいないときは、自分で工夫するしかない。しなければならないことを不平を言わずにすることだ。……この道を選択せざるを得ない場合、……完全な独立独歩をつらぬくべきだろう。そうした状況では、自分が自分の先生兼メンターとなるしかない。

 

感想

この章を読んでいて、なぜか大塚家具のお家騒動を思い返していました。あの親子は、実の親子であり、一方で師弟関係でもあったのではないか。あの騒動は、師を超えるための通過儀礼だったのではないか。と勝手に想像を膨らませていました。
メンターの重要性を強調しつつも、候補がいない場合もあると指摘されている点について、とても共感できます。ここで紹介されているメンターは、弟子にとってスターのような存在と見受けられますが、実際にはそのような人はなかなかいません。誰しも何かしらの欠点を持っていて、その欠点が目立つが為に、メンターとして選べないということは十分にある話です。
また、一人のメンターにつくのが最善としつつも、複数のメンターを持つことの有用性や、文献をメンターとすることについても(「一時的に」という限定はありますが)筆者は認めています。一人のメンターを見つけるまでメンターを持たないのではなく、書籍を含め複数のメンターを持ち、そこから一人の(もしくは少数の)メンターに辿り着くという方法もありえるのだと思います。自分にふさわしいメンターを見つけるという観点からは、この方法は有効だと感じました。
 
あなたにメンターはいますか?
いないなら、ひとまずこの本をメンターとしてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

マスタリー: 仕事と人生を成功に導く不思議な力

マスタリー: 仕事と人生を成功に導く不思議な力