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コメダ珈琲店でココアを飲みながら想いを馳せる「チョコレートの世界史」

 寒くなったこの季節、ホットココアがとても美味しく感じるようになりました。コメダ珈琲店でココアでも飲みながら何か本でも読もうと思い、本棚を眺めていると、「チョコレートの世界史―近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石 (中公新書)」を見つけました。昔に買った記憶がありますが、内容は全然覚えていません。早速読み返してみました。

 

 本書では、カカオ豆の拡大からココア・チョコレートに話がつながってきます。カカオ豆が、どのようにココア・チョコレートに加工されて広がっていったかが詳しく説明されています。ココアやチョコレートのシーズンですので、ちょっとした雑学にぴったりだと思います。ここでは、ココアの部分に絞って、気になったところを1つだけ紹介します。

 

ココアは薬品か食品か(pp.43-46)

 カトリックでは、春のイースター前に断食をする習慣があったようです。断食中に、「食品」は食べられませんが、「薬品」なら摂取可能。そこで問題となったのがココアの取り扱いです。当時、ココア(カカオ)はその栄養価の高さから健康増進に効果的であることが、経験的に認められていたそうです。

 これは薬品なのか、それとも食品なのか。論争は、なんと16〜17世紀にほぼ100年間にわたって続いたということです。

 ヨーロッパの環境としては、16世紀はルネサンスや科学革命で繁栄が続いていましたが、17世紀は「17世紀の危機」と呼ばれる時代でした。魔女狩りやペストの流行。戦争に次ぐ戦争。そんな時代に、「ココアは薬品か食品か?」という論争をしていたというのは、個人的には結構衝撃的です。意外と危機の最中の人たちは、余裕があったのでしょうか?それとも、全然余裕がなかったために議論が先延ばしになっていったのでしょうか。

 17世紀の危機の裏には、ココア論争があったということをぜひ覚えておいてください(テストには出ません)。

 

チョコレートの世界史―近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石 (中公新書)